葬式に参列してきた。
俺らの家族を結び合わせた、仲人。
まだ59歳。末期ガンだと判明し、入院されたのが1ヶ月前。
生前湿っぽいことが大嫌いで、常に陽気に、人のために生きてこられた方だったので、その事実さえ知らなかった方が多数だった。
俺はたまたま2週間前にその事実を知り、お見舞いに伺ったが会うことは出来なかった。
その頃電話で故人と話をされた方によると、とても元気だったということだった。
…元気なわけが無い。
延命治療を拒否し、恐らくは壮絶な戦いだったはず。
誰も心配させないように力を振り絞っていたのではないだろうか。
お別れはあえてしなかった。闘病でやつれた顔を、恐らく彼女は見られたくないだろうと思ったから。
貴方が結びつけた二人は、四人の素晴らしい家族になりました。 どうか高い空の上からいつまでも見守ってやってください。
余談だが葬儀の参列者はゆうに200人を超えていた。政治家だったということもあるだろうが、一般参列が多すぎて、部屋に収まりきれなかったというところが故人の人脈の広さを物語っていた。元内閣官房長官が弔文を読み上げたり、元外務大臣が弔電を寄せていたりと色々偉大な方だったんだなと感じた葬儀でもあった。
・・・・・
その後、ばーさん施設訪問にも。
…
ばーさん、俺のこと完全に忘れてるんですけど。
もうね、なまえを違う名前で呼ぶというレベルじゃなく、「あんたー誰かいね?」レベル。
15年以上も一緒に住んでいたというのに。
いや、俺を中学、高校と母親代わりをしてくれていたはずなのに。
その当時の写真をひとつひとつ説明しながら、俺という人間のプロフィールを判って貰おうとあがいてみたが、完全には思い出さなかった模様。
ただ、小一時間も話をしていると、おぼろげながら俺が誰なのかは思い出していた様子。だが、次回来る時にはまた忘れているんだろうな…
とはいえ、元気だったことだけが何より。元気でいてくれさえすればそれでいいよ。
・・・・・
地元に帰り、今度は今年初めに亡くなった従妹の納骨堂へ。
彼女は今日が誕生日だったから。
31歳おめでとう!そっちじゃもう歳はとらないんだよな…
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