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 第20回:秘密基地は男の浪漫

 男子たるもの、子供の時に一度は「基地ごっこ」をして遊んだ経験があるだろう(勝手に断定)。私も御多分にもれず、いろんなところにシークレットベースを置いて妖しい活動をしたものだ(笑)

 一番最初の基地。それは家の周りの田んぼに積まれていたわらを掘って作ったものだった。田の持ち主に見つかり、即刻撤退をやむなくされていたが、すぐにまた別のわらに巣食ったものだ(大迷惑野郎だな^^;)。

 その後、田んぼの無い地域に引っ越してしまったため、今度は家の中に秘密基地を設立。ありがちではあるが押し入れの中である。年齢的には小学校高学年であったため、作りもより本格的に。入り口にははしごを取り付け、テーブルタップをくぎで打ち付け、裸電球を灯し、屋根裏を物置に改造。自分の部屋があるにも関わらず、ほとんどの時間をそこで過ごしていたためオヤジの逆鱗に触れ基地は破壊されてしまった。

 ぐう。やはり家の中では駄目だ。やはり外しかないか…と、途方に暮れていると、いつも遊ぶメンバーの家の敷地内(といってもお金持ちの家で、車100台くらい停められる月極駐車場の片隅)に、使われていない倉庫を大発見!4〜5人で秘密基地を運営する事にした。倉庫の広さはせいぜい8畳くらいのものだったがパーティションを区切ってそれぞれのパーソナルスペースを確保。結構居心地良いようにカスタマイズしたので、やっぱり夕飯までの時間のほとんどをここで過ごしたものだ。

 この基地は結構長い間活動拠点になったのだが…またしても閉鎖される事になる。原因は私である。あるとき、「やっぱり電気使えたほーがええねえ」と言う事になった。ラジカセなどをみんな持ち込んでいたが、やはり電池駆動と言うのはいろいろ面倒である。雨の日とかは暗いので懐中電灯が必要だし。ではどこから電気を引くか。この倉庫秘密基地は屋根付き駐車場のすぐ側に立っている。屋根付き駐車場には夜間用の蛍光灯がついており、当然100Vが通っている。幸いな事に基地のすぐ横あたりに配線が触れるボックスが設置してあった。ここから引っ張ってこれるやん!と簡単に考えた私はみんなに「よーし、今から電気引くでー」と豪語(笑)。基地の屋根に登り、配線ボックスを開け、ドライバーを配線端末に押し当てた。その瞬間である。「ぐわ!」今まで体験した事の無いビリビリ感と共に身体が金縛りに!この時使っていたドライバーは握りの終端が金属のもの。ここを通して右腕から右足に抜けていったのであろう。手を放そうにも放せない!!いや、放れないのだ!!マジで焦る!こ、ここで死んでしまうのか?!!声は出せる!「切れーーーーー!!!」絶叫する私。どのくらいフリーズしていたかは覚えてないが、気がつくといきなり金縛りがとけ、基地のトタン屋根の上に崩れ落ちる私がそこにいた。電気スタンドやら小型のTVやらを抱えた友人達の困惑した表情がすぐに目に入った。同時に怒ったオッサンの顔も。この敷地の持ち主である友人のオヤジを呼んで来てブレーカーを切ってくれたらしい。当然大目玉。家にも通報され、ダブルで大目玉。みんなのためを思ってしたことなのにぃぃ。きゅうううう(T_T)

 この事があってから当面基地の設立はしなかったような。ただ、人んちの電気が通っている倉庫でキャンプしたりとか、そういう事はしましたが(笑)

 基地、ていうか、アジトなら割と近年までもっていた。いや、正確にはうちがもっている貸し家を借りていた友人のところを常時集会所にしていたとか、そんなもんだが。休みの前になったら徹夜でファミコン、UNO、麻雀、ポーカー、人生ゲームなどに興じていた。結婚してからは私は参加できなくなったが、独身貴族を決めている友人達はアジトの場所は変わったが今でもより集っているようだ。ちと羨ましい(笑)。

 そして現在。PC触るのに誰にも邪魔されない「書斎」という名の秘密基地の設立をもくろんでいたりするのであった。やはり基地は男の浪漫よのう(笑)

 99.3.28初版

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