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 第21回:題名の無い曲探し

 話は10年ほど前にさかのぼる。家で深夜番組を見ていた時の事。番組のBGMとして流れてきたその曲は私を虜にしてしまう。聴いたその直後は「ああ、なんか良い曲やね…」位の感じだったのだが、時が経つに連れ、その曲が頭の中で無限ループで流れるようになってきたのだ。ううむ、こりゃいかん。なんて曲なんだ?CD欲しい。でも、タイトルも作曲者もわからない…

 こういう風になったのは今回が始めてではない。過去にも何度かこういうパターンに陥った事はあるのだ。そのいずれも曲を探し当てる事は出来なかった。皆さんはこんな時、どうしているのだろうか…ある知人は「鼻歌を店の人に聞かせる」といったプリミティブな行動に出たようだが、流石に私は出来ず(笑)

 結婚してからもこの曲は頭の中で回り続ける。ホントに良い曲なのだ。あるとき、産婦人科の待合室でこの曲が流れてきた時はいろいろなイメージが重なって涙が出そうになってしまったりもした。あるとき、ダイエーで買い物中に流れてきた時は思い余ってすぐ側のテナントに飛び込んで「こっ、この曲なんて言う曲か知りませんかっっ!」と店員を困らせたり(笑)ていうか、有線でかかってきたんだからこの直後に有線に電話すればわかったのかもしれないな(爆)

 目指すその曲の手がかりは何も掴めないまま時は流れ、ある休日の朝。テレビから流れてきた曲に心がとまる。あの時の感じに非常に似ている…。画面には「西村由紀江」というピアニストが映っていた。この人は結構メジャーな作曲者で、TVドラマのBGMなども手がけているようだ。直感的に「きっとこの人の曲に違いない」と思った私は、早速「西村由紀江」のCDをレンタルしまくった。買わないところが妻帯者の悲しさである(笑)。ていうか、以前似たようなケースがあって、「これだ!」と思った人のCDを買い捲って結局発見できなかったという事があったので踏み切れなかったのもあるのだが。そして今回も同様に5〜6枚、レンタル屋にあったものを全て借りたのだが発見できなかった。ううむ、違うのか…

 しかしどうにも「西村由紀江」の曲が引っかかる。CDレンタル屋に全てのCDがあるわけではないからなあ…何か他に手段は…ん?そうだ!楽譜から探せないか?問題のBGMが曲の頭からかかっていたのなら先頭をある程度追えば発見できるかもしれない…早速私はCD屋の2Fにある楽譜陳列コーナーに向かった。おお、あるある。やはりドラマのBGMなどを手がけているだけあって彼女の楽譜集は割と多く存在していた。駄目で元々だ…と、1冊ほど手にとって眺めてみる。…ん?…んんん??冗談だろおい…当てはまるのが…あるよ…いきなりかよ…胸がドキドキするのがわかった。目の前にあるその楽譜の主旋律は明らかに「あの」BGMのものだった。まさかこんなにあっさり見つかるなんて…

 大ダッシュで1FのCD屋のほうに向かう。「にっ、西村由紀江のレスポワールていうアルバムありますかっ?!」ちょっと興奮気味の私。10年来の再会を目の前にしているのだ。許せ店員(笑)「あ〜これは今在庫がありませんね。取り寄せますか?」ぬううううう仕方が無い取り寄せだ…この日はそのまま撤収…

 そして数日後、「レスポワール」が届く。目指すその曲は2曲目だ。わざと焦らして1曲目から聴く。…そして…2曲目が始まった瞬間、背筋に電気が走った。やっとめぐり逢えたね…君の名は「木漏れ日の中で」。例の楽譜からちょっとだけ起こしてみたんで皆さんも聴いて見て下さい。

 99.11.4初版

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